ただ挟み込むだけじゃない、マチ同士の合体も重要なハンドメイドバッグの安定した底板の設置の仕方【139】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2018年の前半の頃、「生地くるみ底板作成:¥1,700」というものをさせていただきました。

そのサービスを利用していただいた方にはやはり抱えているブランドバッグへのひっかかりがあったのですね。

どうもその節はありがとうございました(^-^)。

底の部分が物をたくさん入れると下へ膨らんで沈んでしまうのです。

見栄えの悪さと、安定していない底部分への不安もあります。

そのような心配をいちいちしなくてもよい状態にあらかじめなっているバッグがやはり一番です。

私も自分自身の経験の中で。なんと高級なハイブランドバッグでこのことが何度も起こっていたのです。

なんたること!、底が安定してもいないのに高級ブランドバッグの地位にあるそのことを大変疑問に思ったものです。

いかに過去の商品達が、機能をしっかり考えられていなかったものが多かったかということの例にもなるかもしれません。

そして、長い歴史でブランドの力がパワーアップし、手間を省かれた過程のあると見られる商品でも受け入れてもらえた時代があったのかもしれません。

しかし、今後は違うと思います。そんなことは、購入者は見破ります。

やはり、本当のこと/真実があらわになる時代になると思っています。

ごまかし、隠したり、手を抜いたり、こういうことがいずれ暴かれるということです。

お客様のお手持ちのバッグに底板をお洒落な生地入りでお作りするサービスのアイデアを思い付いたきっかけのある出来事

2015年あたりの事だったかと思います。

あるナイロンバッグの元祖とも呼ぶべきハイブランド様のキルティングが入ったビンテージのチェーンバッグを持っていました。

色の変色もなく、茶色の色がカーキがかっているのではなくライトな感じの黄土色寄りなところがとても魅力な、A3程の物がらくらく入るくらいのビッグサイズのバッグで、そんな点も個性的なお品。

これをお洋服とのコーデの色が合わなくなってきたこともあって手放そうとヤフオク様で販売させていただきました。もう私としては不要でした。

ありがたく落札してくださった人がいて、商品を発送したところ、1通のメッセージが。。

「とても残念なことに、底がくの字に曲がってしまい、物を入れても底がどよーんと沈んで不格好な形になってしまいます。」とのこと。

慌てました。私が使っていた時にはそのようなことが起こらなかったので気づかなかったのです。

私が持っている時では気づかなかったことでした。

もしかすると、発送時に2つに折りたたんだ時に、もともと厚紙が入れてあった底部分がその梱包で曲がったとも考えられます。

どのみち、もともと入れてあったのは、厚紙相当のものだったと思います。

すぐに私は、お金を返金しました。ただ、それだけでは、どうしても気がおさまらなかったのです。

お金だけの問題ではない、とてもがっかりされている気持ちが晴れるにはどうしたらいいのか、何とかできないかを考えました。

そして、お客様にメッセージ。

「まだ、私の方は返金だけでは気がおさまりません。1つ提案ですけれど、私に底板を作らせていただけませんか。ハンドメイドをしているので、作れます。バッグの底部分の縦横サイズをお手数ですが、教えてください」と。

そして、そのサイズをもとに、今現在も使っているベルポーレン2mm厚の底板をたまたま持っていた黒い色の生地に包んで縫って、送りました。

その後のお返事は、ぴったりで喜んでバッグを使うことができるようになったとのこと。

ここでやっと本当に良かったと思えました。これが本当のお取引のゴールであったと。

お客様は、そのブランドバッグを気持ちよく使うことを夢見て落札したのですから、ここでやっと目的が果たせたのです。

お金を返金したから100%満足するわけでは決してありません。

本当の目的は別のところにあったのです。その本当の目的を達成できる手助けをすることが、お金以上のさらに踏み込んだ提供する側がやるべき使命です。

とても学ぶことがあったこの出来事でした。

この経験が、3年後に底板を作ってお送りするというサービスをしてみるヒントになった出来事であったことは間違いないです。

底板をお作りするサービスというのはとても行いやすいのです。

設置が自由なリムーバルなので、バッグをこちらに発送してもらわずともサイズのご連絡だけで作れるので、無駄な経費とか、時間もかかりません。

また再開しようかなあとも思うのですが、布のこだわりがそれぞれの人があるので、その点が難しいです。

ならばと、セミオーダーで、この中から選んでもらうというのを考えがち。

ところがこの試みは、その2018年の時にあまりにお客さんの思う生地との隔たりがあり、結局ニーズがあまり得られずに続きませんでした。

また、何か良い形で再開できるといいです。何か新たなアイデアを考えたいと思っています。

バッグの中のパーツでは底板が一番こういうちょっとした付加価値の追加がしやすいようです。

ショルダーとか、入り口のファスナー付けなどは、もし可能であれば、これも非常に効果は出ますが、金具をそもそも本体に付けていないと引っ掛けるところさえないですから、すべてのバッグには展開が厳しく、バッグの形が限定されてしまいます。

しかし、底板は、そういう点でフリー。すべてのどんなバッグにも対応できます。

底板を中に挟み込んで設置するタイミングはいつ?

さて、今回のポイントである、自作ハンドメイドバッグの場合の底板を設置するタイミングを見ていきます。

前述のオーダーメイドのリムーバル底板というのは後付けです。

そうではなくて、本来そんなことを後からしなくてもいいように前もって、バッグにきちんと底板が設置されているのがベスト。

そのベストの状態を今回ご紹介しています。

どのようなバッグも挟み込むタイミングというのは、表地と裏地を重ね合わせて縫い合わせる直前です。

つまり、合体する一歩手前のタイミングで底板を挟み込んで、その後ひっくり返すということです。

あくまで、この挟み込みのやり方が可能なのは、表地袋と裏地袋の合体という典型的な袋物のバッグの作り方の場合に当てはまるやり方になります。

写真ではこのタイミングで底板を挟み込みます。
挟み込むという言い方をすることの意味は、両端が縫い留めてあるから。
両端の細かい位置というのは特に決まっていませんが、ベースとしては、
マチ巾の真ん中あたりの縫い代のフリーの部分1.5cm内に表に出ないように
隠れたステッチを2往復ほど入れて固定するのです。
この作業の効果としては、底板がぐらぐら動くのを固定してくれるという点です。

そうすると、おのずと、底板のサイズは、底の面積よりも小さくするべきです。

ぴったりや大きいサイズでは、収まりきらずバッグが変形してしまい不格好。

私は「2まわり小さく」ということを心がけています。

1まわりだとまだ足りません。まだまだ底板にとってはスペースが狭いのです。

具体的な数値では、10cmのマチに対して、底板の型紙の幅は7.5cm両サイド1cm強の余裕を入れます。

底板用にも型紙を。角は半径2.5cmの円の一部を利用。コンパスで左右対称にきちんと作ります。
見えない部分のこうした綺麗な作りの積み重ねが、値段を付けるときなどの自信になります。

こんな風にして、底板を入れた底部分というのは、入れていない底に比べて、立派なものになります。

今回は、<ハンドメイドバッグ教室>にて底板を挟み込むタイミングということでYOUTUBEにアップしました。

どうぞ、ご視聴してみてくださいませ。

あとがき

底板の必要性を感じる時というのは、物をたくさん入れる時だと思います。

最初の見かけというのは、ショッピングの際に中に物を入れる写真などはほとんど撮られません。

実店舗でもネットでもこれは同じです。

なので、バッグの底の様子など見逃されがちです。

しかしながら、縁の下の力持ちとでもいうような重要な部分であるのが本当のところなのです。

これを最初にしっかり取り付けてあげる「陰ながらの真心」というのは、長い目で見ると信頼につながると私は考えています。

見かけだけのかっこよさで買い物の後、年月が経過した後、がっかりすることは長い目でみるともう二度と購入しないお店になる、つまり信頼を失うことになるのです。

そう思うと、ひと手間の隠れた工夫などは、必ず最終的に強味であり価値になると信じています。

<マチ>ハンドメイドで作るトートバッグのマチの計算に縫い代分が含まれていない謎を解き明かします【137】【138】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回の記事は、2つの分かれたYOUTUBE動画に対応の1記事でございますので、番号が2つ並びます<m(__)m>。

ある日、ネットでハンドメイドのマチの計算の確認をしていました。

一応、発信するにもちゃんとしたことを。。と思い、ネットでの確認が時々出てきます。

今回、マチの計算式の確認のため、ググっていたところ。。。

マチ付きのバッグを作るにあたって、「元の必要寸法が分からない」、「割り出し方教えて。。」の声が溢れんばかりであることに驚きました。

確かに。。いろいろ謎がありますね。

マチ付きというのは、3次元の世界。

やはりこうなるとちょっと想像しづらかったりして混乱してしまうのでしょう。

とても分かります。私も以前は知りませんでした。

しかし、その疑問のあまりの多さには驚きました。

おそらく、ミシン縫いをスタートし、ハンドメイドバッグを自作し始めた時期にマチ付きにしたくて、ここでいったん悩むことがいかに多いことなのかということでしょう。

そして、マチ付きトートバッグがいかに自作したくなるアイテムであることも。。

さて、今回マチ付きトートバッグのマチを含めた必要m数の計算方法の確認をまず致します。

これは、もうその溢れんばかりの悩みに答えるべく、マチの計算方法としてのアンサーをこれまた、溢れんばかり数の方が回答している様子と同じですが、私バージョンでおもお伝えします。

私バージョンの計算式は後で記述致しますが、むしろ、計算式の中に含まれるマチの部分が出来上がり寸法だけ組み込めばよいという「謎」に迫りたいと思います。

これを理解すると、計算式が腑に落ちて今後胸を張って、誰もが先生になれる、そしてまた他の困っている人に教えていける。。

そんな素晴らしいことになって行けばという思いを込めています。

まずは、多くのQ&Aを拝見した、マチ付きトートバッグの必要m数の割り出し方の確認

さて、まずは、図を見ながら、確認のためマチ付きトートバッグの縦横の必要m数を含んだ型紙をどう作ればよいかを私も多くの人と同じようにお伝えしたいと思います。

むしろ、その後の後半部分が本当に大切なことですので、後半こそどうぞご覧くださいね。

「算出方法」などよりも「なぜ、どうして」こそが一番大切だと私は、思っています。

マチ付きトートバッグの寸法の割り出し方のこの図では、出来上がりが最初に決まっています。
オーダーメイドなどでよくある場面です。
【Q】:縦30cmx横37.5cmxマチ15cmの出来上がりのトートバッグにしたい場合
2枚仕立てバージョンでは、縦の長さ、横の長さ、マチの長さをどのようにしたらよいか???
・・・【A】:縦40.5cmx横55.5cmの長方形を描き、下両サイドを7.5cmの正方形分カットする。

手順は、まず最初に縦の出来上がりの長さ30cmをそのまま、30と置く。

そして、2枚仕立てなので、この図が1枚分なので、マチ出来上がりの15cmの半分の7.5cmを足す。

そして、上部の縫い代は1.5cm、底の縫い代も1.5cmで私は作っているので、上の1.5cm、下の1.5cmをそれぞれ加える。

この積み算の値が40.5cmなので、縦は40.5cmの長さで型紙を作れば正解。

次は、横の長さ。出来上がりが、37.5cmなので、まずは37.5と置く。

そして、横は縦と違い、マチが2つできるので、出来上がりの半分の7.5を2回足す。

そして、左右も縫い代は1.5cmとするので左の1.5と右の1.5をそれぞれ足す。

この積み算の合計は55.5cmになります。

そして、下の角部分を15cmの半分の7.5cmずつの正方形でカット。

これで型紙出来上がりです。

注意点は、2枚仕立てバージョンなので、出来上がりマチの15cmの半分である7.5cmだけを足す点、そして、横の長さはマチが2つあるから7.5cmという半分の寸法をを2度足すという点ですね。

この計算式に当てはめれば、2枚仕立てのマチ付きトートバッグが作れるスタート地点にちゃんと立てます。

式には当てはめるものの、マチの計算が縫い代無視のような実寸で成り立つその謎とは?

何でも、理論的に証明したいもの。

ふと思うことがあると思うんです。あれれ?マチにだって間違いなく縫い代1.5cmが必要なはず、それなのに、なぜ、出来上がりの長さだけを計算式に入れているだけなのだろう。

これです。これが謎なんですねー。

しかし、これで間違いなく15cmにマチが出来上がるのです。

その謎を解き明かすべく、こんなことをしてみました。

まず、このように型紙でマチをつまむ場面をシュミレーション。
真ん中の1.5cmずつの縫い代部分がここからは最終的に奥に引っ込んでなくなります。
つまり横の長さが短く出来上がります
謎を解くカギは、実際の縫い線の位置と長さです。半分で考えてみます。
ここに実際に縫っている端から縫い代1.5cm位置に赤いマジックで縫い線を引きます。
先ほど描いた縫い線の赤は型紙を広げるとこのように縦にマチを削ったラインから1.5cm内側を走ります。
そして、何やら、少しマチを削った角よりも少し上に突き出しています。
2枚目の赤い線の後側は、実際下糸が走りますので、
ここで点線で表した位置が下糸がミシンで縫われる部分。
いよいよ分かってきました(^-^)。
このミシンで縫われた部分は当たり前ですが、縫い代1.5cm空けて縫ったので、
この直線とマチを削った部分のラインとの間は当然1.5cmです。
つまり、ここで赤で描かれたLの字は、7.5+1.5=9cmの正方形だということが導けます。
そして、再びマチを作った状態の片面だけに戻ります。
そうすると、先ほど9cmだったラインから、底部分を縫う時の縫い代1.5cmが引かれ、
9-1.5=7.5cmが本当のマチの出来上がりの長さだというところにたどり着くのです。
これで腑に落ちたかもしれません。
底の縫い代1.5cmであらかじめ切り取った7.5cmが7.5-1.5=6cmに短くなってしまっているから、
右側に1.5cm突き出して、6+1.5=7.5になると。
7.5cmというカットラインが縫い代1.5cmを必要とするせいで、
右側に平行移動したかのよう。そんなとらえ方も良いでしょう。

この赤い線が、計算式に7.5cmちょうどでよいことをちゃんと証明してくれました。

ということで、勘違いしがちな、縫い代分入れねば、ということで7.5+1.5=9cmマチのくり抜きに型紙を作ったりしては結果、サイズ間違いの大きなマチができてしまうわけですね。

縫い代部分が1.5cm引かれることは何となくわかっても、その分1.5cm上に突き出すということがなかなかすぐには分からない部分でした(;'∀')。

しかし、今回のこの赤いマジックの線で、間違いなくそういう結果になることが分かったので、計算式も上述の通り間違いないものであると安心して、今後は公式に数字を当てはめるだけでよいのです。

今回は、この謎を解くためのYOUTUBE動画が2本ございます。

前編ではマチの計算式に当てはめる部分がメイン、その後最後の方でもやもやして終わっています。

後編では、赤マジック作業がメインで、この縫い代分を含まないのが正解である謎の解明を証明する場面がメインです。

あとがき

マチ付きのバッグは使いやすく、親しみあるデザインです。

このしっかりと容量を確保された「マチ」こそが多くの人に好まれる価値の1つでもあると思います。

2次元が3次元になる時の分かりにくさを研究して理解し、その後の展開として独自のデザインを立体的に作っていけるきっかけになればと思います。

こんな図形から立体へのイメージの体験は貴重です。

今回の「なぜ、どうして」を解明することの例は、他の事項でも結局一番大切なのではないかとさえ考えます。

その理由を追求していくことで、「哲学の入ったバッグ」になっていくからです。

長年老舗として愛され続けるハイブランドバッグにはこれがあるのです。

ただ、意味もなく表面的に飾り立てたバッグではなく、シンプルであってもその機能の意味が理解され、受け入れられるお品になりますように(^-^)。

簡単に作れるリュックのショルダーのハの字部分の本体への丈夫で綺麗な縫い付け方法【136】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近ショルダーに調節機能のない単純な作りのリュックを作っています。

その名は「簡易リュック」。

去年の2019年後半辺りから始めたハンドメイドバッグのシリーズものです。

素材調達をいったん終了し、たくさん集まった生地でシリーズを組み、20シリーズ程計画を立てました。

1つのシリーズで製作は3点ずつというのがだいたいのラインナップです。

リュックのショルダーの付け根にDカンを使わない、直接本体への縫い付け方式の十字ステッチ

さて、今回の簡易リュックでは初の作業が1点あります。

それは、リュックのショルダーの縫い付け部分の付け根の製作手法です。

簡易リュックは、その名の通り、最低限の簡単なもの。

もしかして、結構手が込んでいる部分もあると感じていただく箇所もあるかもしれませんが、表から見る時に簡素な作りのシンプルさが特徴のリュックです。

簡素な作りがどういう点なのかの1つは、ショルダーの調節機能が無しであるという点です。

様々な長さをお好みの人が中間的な位置でお使いいただける長さに設定。

ある一定の流行も取り入れてやや長めかな。

そして、線コキ、Dカンなどを付けずに、ショルダーは本体に挟み込んで縫い付けとなります。

この縫い付けの時の端っこ部分の「ハの字」にスポットを当てています。

まずは、作ったショルダーのハギ合わせの方を外側に向けてハの字にします。
互いに90度で重ねるということです。
アップで見てみるとこんな感じ。ぴったりと端っこを重ね合わせます。
そして、とりあえずショルダーのみで十字にステッチを入れます。印は必要ありません。
とんがった先端からまっすぐ「へ」の字のへこんだポイントまで縦にステッチを返し縫いをしてかけていきます。
十字の横線に関しても目印となる先端部分があるので、印など付けなくても大丈夫。

そして、その後いったん他の作業が入ります。

ショルダーの足の部分から先に挟み込んで縫い付けます。

本体を前後縫い合わせの時に、同時に底部分に挟み込んで縫い付けるということをします。

次に表地の本体の内側に当て芯をし、入り口部分の真ん中の位置にまたもや十字でステッチをかけます。
この十字のステッチは必ず表面に出ますので、先ほどの十字をなぞるように、そして綺麗に。。
ステッチをかける側は、裏からがよいです。2重ステッチで丈夫にかけます。
重なり部分などを見ながらが、どこを縫っているのかが分かりやすいです。
出来上がった十字ステッチを表側から見た感じ。すっきりしていますよね。
このステッチの方法がいろいろなやり方と比べてみて群を抜いて簡単で綺麗でした。

また、これが、縦1本だけの線だと何かしら不安定。横の線も忘れずに。

やはりこの十字の意味というのはダメ押しの頑丈な固定の秘訣なんですね。

よく取っ手の付け根に施される「四角+X印」のステッチを彷彿とさせます。

完成した簡易リュックを見ながらお伝えしたいこと

簡易リュック(薔薇柄xデニム)・・・筋柄同士のマッチが生地のチョイスの偶然の巡り合わせというもの。
こういうミラクルが大好きな私。
洋服のコーデでもそうですが、良い相手が見つかることの喜びがあります(^-^)。
茶と紺のコンビは、お茶碗などの陶器の基本的な色使いを思い出します。
薔薇の中にある紺色部分が茶色に映え、そしてデニム生地の紺とカラーがマッチしてスッキリとします。

取っ手のジグザグステッチも象徴的なデザインの1つとなります。

そして、入り口タブがほんの少しだけ登場するところに、控え目な感じを見ます。

思いっきり広い面積に柄が出るという、柄の出番を尊重したデザインなのでした。

あとがき

こんな風に、その時々で素材を組み合わせたりなどしてちょっとした工夫をしながら元のデザインは変わらない、という方式で製作していきます。

生地同士の組み合わせもコーデなのです。

クローゼットの中からお洋服を選んで組み合わせるかのようにワクワク楽しめる瞬間です。

同じデザインで製作するにしても、生地の色違いではないくて、全く違ったテイストを感じるような3種にラインナップしていくのが1点物風となる秘訣。

シリーズではそんな3点であると見ていただければと思います(^-^)。

なぜそんなにハリコシのある取っ手に出来上がったの?の答えがここに。。内部構造すべてが分かります【135】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグを作り始めて10年以上が経過しています。

その中でいろいろなパーツの作りを改善してきたり、デザインを変更したりしていく中で、これが最強と思える状態に常にしていたいと思っています。

もし、これは改良した方が良いなあと思うと、早めに改良していくのがよいかと。

一方、当初からそれほど変更していない早い段階で腑に落ちて、ずっとこのやり方で来たのだというパーツもあり。

今回はどちらかというと、そのような長後者の方に当たるかもしれません。

そのパーツというのが取っ手です。

取っ手は結構大切で、バッグを支えると共に手でよく触る部分です。

丈夫で長持ちを望む部分となります。

ということで、今回は、丈夫でありながら、しかも持ち心地が良いという手の感触を工夫した取っ手の中側の構造をご紹介したいと思います。

取っ手には芯地を2種入れる、接着芯ともう1つの芯地「ソフト厚芯」こそがその感触を作る

通常、取っ手というパーツにも芯地を貼りますがまず1つは接着芯です。

接着芯は生地自体の風合いを生地に馴染みながら自然に出す効果を感じ、基本的にはすべてのパーツに貼っています。

逆に貼らないパーツが珍しく、ぱっと思い浮かぶのが、フリルかな。

フリルは裏返して見てみると、それも表面のようにぴらぴらなので、芯地は貼らないという考え方もありますが、どのみち裏側なのだから貼っても良いかもしれません。

ちょっとした小さなタブ、巾着ひもなどにも必ず貼ります。

逆にそういった小さなサイズのパーツこそ縁の下の力持ちですから、補強には必要なのです。

接着芯を貼るのと貼らないのとでは丈夫さが大きく変わります。

さて、今回の取っ手ですが、接着芯の他に、入れ込む芯地というのがもう1種ありまして、「ソフト厚芯」と呼んでいるフェルトみたいなふんわり芯です。

上のグレー色がソフト厚芯。不織布でフェルトっぽい感じのもの。
接着剤は付いていないのが逆に使い勝手がこの取っ手に向いています。
下の表地は、インディゴデニム、綿/100%、日本製という生地。接着芯はすでに貼ってあります。
よって取っ手は、2種芯地が付くということになります。
取っ手の作り方を簡単にご説明します。
①まず表地とソフト厚芯を別々にアイロンで真ん中に縦に折ります。
②そこに向かって両サイドからアイロンで折ります。
③①と②を合体してこのように折り線を合わせながらくるみこみます。
④クリップや洗濯ばさみで固定し、外しながらステッチ。

表地とソフト厚芯を別々にアイロンで線を付けるところはぴったりと重なり、美しいラインになる大鉄則。

特にステッチの方法などは、後で貼りますYOUTUE動画の中でそのじっくりお伝えしますね。

取っ手の完成:こんな風にグワングワンにハリコシが出ました。
ステッチが少し見にくいのが申し訳ないですね<m(__)m>。
こちらは、インテリア収納用のたためるタイプのバッグを作った時の接着芯のみ貼った取っ手です。
接着芯だけでもそこそこハリコシは出ますが、今回のソフト厚芯入りに比べると柔らかいですね。
たためるタイプのサブバッグ的なタイプの場合はこれでも通用します。
こちらはステッチがはっきり写っていますので、ステッチ巾などのご参考にこの写真がなればと思います。

ステッチを4本均等な巾に縫うことは訓練も多少必要です。

目の錯覚などで片方に寄りがちなのが常です。

印は付けていきませんので目で見た感覚によって位置を決めてステッチしています。

何かしらコツをつかみ、「職人の勘と技」みたいな感覚を得ていくのです。

ソフト厚芯を入れたことの意外な効果、心で感じる「持ち心地の良さ」であること

こうして感覚が揃った4本のステッチは間違いなくバッグのアクセントになっていき、バッグが美しくなるための重要ポイント箇所になることでしょう。

このように少々念入りに取っ手を作っていくのです。

ソフト厚芯の効果は、ソフト厚芯その物だけでは実は無いということがだんだん見えてきましたね。

ソフト厚芯+ステッチにより、ぷっくりとその空間がふくらみ、ふんわりとした持ち心地になることが最終的な行き着く効果であるということです。

ソフト厚芯をただただ入れ込むだけでは、役割は不十分。

さらに真ん中に2本のステッチを入れることが、このソフト厚芯とステッチの強力なタッグが効果を発揮するということになります。

あとがき

今回のような内部構造に関しては、完成したバッグでは到底分からないことでした。

バッグがボロボロになり、捨てる際に取っ手を切り裂いて研究する人がどれだけいるでしょうか。

そう考えると製作者である者ができることとして、自分が見ているものをそのままバッグのユーザー様にお伝えすることではないかと思います。

「隠す文化」から「見せる文化」へ時代が変わったと思います。

この意味は、つまり「ごまかしが利かない」ということです。

何なら、良い意味でのごまかしさえご披露してそのどうしてもそうするしかなかった理由をご説明するくらいの分かりやすい理解を得られるお品もある意味素敵なのです。

最後までミステリアスにその秘密を隠し続けられたことに何か意味があるのでしょうか。

それよりも理由がクリアなお品の方がなるべくしてそう形作られたのだと共有されるという考え方です。

その考え方は、もしかすると、作り手である自身のスタイルの投影なのかもしれません。

黒xネオンカラーのコンビで作ったポジティブバッグの製作、前向きで明るい気持ちになればとの思いを込めて。。【134】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

生地にも季節ごとに相応しい生地である理由があり、この記事アップの時期の夏場では、涼し気な心地良さを感じる生地が多く出回ります。

クーラーが無かった時代には、着ている洋服の素材自体の感触にさえ敏感であったのでしょう。

そんな伝統的な夏専用の生地というのはどんな構造をしていてどのような名前の生地なのか。。興味がわくところですね。

その中で、私がお気に入りの凹凸感ある生地も生地屋さんに入荷してきたようです。

夏場特有の生地の構造がなぜ凹凸感があるのかの答え

夏らしいとなぜその生地で感じるのでしょうか。それは、見かけだけではないのです。

今回のリュックを作った生地は、「リップル」という織り方の生地。

夏らしい生地の1つ(黒):リップル無地、綿/100%、日本製。

このぷっくりとした凹凸感にはヒミツが。。

それは、夏場特に肌に当たるとじめっとしてべたべた感が不快であることの解消目的で作られた構造にあります。

肌に触れる面積が凹凸によりおよそ半分ほどに減るという構造により、快適な心地よさが得られる爽やか素材なのです。

この生地の構造は、べたつかないということの深堀が成された結果の賜物だと言えます。

リップルは伝統ある生地で、よく夏用のパジャマに利用されていることがイメージにあります。

その他、類似素材として「サッカー」、「楊柳:ようりゅう」なども凹凸感の種類が違う形で映りますが機能としては同じです。

これらの伝統生地は、特に夏らしい素材の身近な素材と言えます。

夏の素材とされている生地でも季節感なく取り入れるコツとして黒を利用

さて、夏らしいと言われる生地の今回のようなリップル、サッカー、楊柳は夏場は、暑い季節ではたくさん出回るので調達はしやすいものの、私の使い方としては、夏っぽいアイテムを作るということはしていません。

バッグが夏専用であるということで季節を限定することも新鮮ではあるのですが、黒を選ぶことで、いかにも夏という感じはしないという見方もあります。

リップル、サッカー、楊柳は季節問わず存在している定番素材ではあるのです。

なので、多く出回る夏場にあえて、黒とかダークな色とかベーシックな色を調達しておいて、そして秋や冬にも使うということもできます。

そうするとオールシーズン使用も可能なので季節ごとに使い分ける悩みは無くなります。

あくまで、「凹凸感のある生地の1つ」という括りで考え、季節ごとの括りの垣根を打ち破って考えていくのです。

黒xネオンカラーのコンビのリュックのどの部分をネオンカラーにするのかのアイデア

今回の企画では、配色としてネオンカラーを使い、黒に映える綺麗な感じを表していきます。

ネオンカラーの配色をどの位置、どのパーツにするのか、この点だけでも違う人が作れば違うものになっていくかと思いますのでアイデアは無限です。

シンプルなリュックながら、そのシンプルな中の1つ1つのパーツにじっくりと注目。

本体を切り替えるというような発想はせず、取り付けるパーツ1点1点を4色のマルチカラーのネオン色を使いながら作っていくという案です。

黒のリップル生地はこれはこれでどーんとフルにその良さを見せたいのです。

よって、脇役的にネオンカラーを配置するというアイデアでいきます。

脇役といえども、カラーが目立ちますので映えますし、同じく黒自体も強調されることになります。

まずは、なんといってもリュックなので背中を向けた部分が正面。

その正面の中でポイントとなる箇所は「入り口フラップ」です。

このフラップを4色の明るいカラーでマルチカラーのパッチワークにしてみました。

パッチワークストライプのフラップ製作:できるだけ類似色を隣に並ばぬよう工夫。
オレンジとピンク、オレンジとイエローは隣り合わせはぼーっと映ってしまいます。
その類似的なカラー同士の配置を避けたのがこの結果です。
左から、フラップ、ショルダー、巾着ひも。
左右対称のパーツは色を変えて躍動感を出してみました。

リップルのストライプと蓋のストライプがリンクしたデザインの評価と今後の課題となるパッチワークの巾の出来上がりの統一について

簡易リュック(黒xネオンカラー)・・・サイズ:縦27cmx横27cmxマチ10cm。

横の長さを型紙変更以前よりも5cmプラスしています。

以前は出来上がりが縦長でしたが、今回からやや正方形気味になります。

しかし、巾着ひもでしぼるので、目に映る見かけは縦長に映ります。

この方が横向きにどっしりと物が入り、余裕が生まれますので、もっと使いやすくなると考えたからです。

大きすぎるのも野暮ったいのですが、気軽にさっくりと背中に背負える大きさというのが、このサイズ感。27cmx27cmxマチ10cmです。

ちなみに、フラップの裏側はこうなっています。

フラップの裏側:裏側を本体と同じリップルの黒で、先端にマジックテープを黒で付けています。
ちなみに、ひっくり返す作り方だと角がどうしてもうまく出ません。
1cmの縫い代ですべての辺を折り込み縫い合わせるひっくり返しをしない作り方です。

例えばフラップがカーブを描いたものであれば、ひっくり返すやり方こそが有効です。

カーブラインはやはり折り込み方式では綺麗に作ることがほぼ不可能だからです。

こういった角ばったデザインは、折り込み式が1つの角をはっきりとしたラインで出す策としては有効だということです。

糸の色も上糸と下糸を違う色にして、先端の横ラインはその都度上糸のカラーの色を変えていきます。

そうした手間をかけると、出来上がりは変な色のステッチが入っていなくてとてもすっきりしていて美しいのです。

ただ、とても惜しかった(^_^;)、ネオンカラーのストライプはすべて同じ幅であるべきでした。

型紙をすべて統一で裁断してしまい、両端が縫い代に取られて細くなってしまいました。

この点が1つどうしても悔やまれます、次回に活かしたいですね。

あとがき

複雑すぎる構造は、そこに収納時にほこりがたまりやすかったりという悩みも後々出てきます。

なぜそのタックが必要なのか、必要ないのではないかをしっかりと見つめ、必要最低限な形に出来上がったものは、スッキリと垢抜けます。

いわゆる、「粋:いき」が実現できていくのです。

好きなブランドバッグのヴィンテージ物をコレクションしていますが、どれもこの「粋」が感じられるシンプルなデザインです。

そういったものは、10年、20年と経過するとよりその良さが味わえます。

ファッションアイテムは、どうしてもその短い期間の「流行」に踊らされることも多いです。

しかし、その後ずっと飽きずに気に入ったままでいられるかというとそこは保証のないものです。

そうした時に、結果的には「コスパが悪かった」バッグになってしまうこともあるのです。

長い目で見た、長持ち出来るような「丈夫な作り」ともう1つ大切なことは、「ずっと使い続けていきたいのかどうか」という気持ちの面です。

この気持ちというのがなかなか表現しにくく、目に映りにくいものですが実はこれこそが一番大切であると考えています。

マスク入れとしての役割だけじゃない、お食事中にマスクトレイとしての機能も備えた共布ケース作り【133】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

マスクもこの季節らしいすがすがしい素材、速乾性等がいよいよ求められるように。。

大手メーカー様がマスク事業に参入の今、私のようなミニ業者が工夫できる得策なんてあるのかな。

どのようにお得感あるマスクにできるのかを考えました。

今回、大手業者と類似の速乾性などの素材機能もありつつ、実際にマスクを使わない場面に活きる工夫を考えてみました。

マスクにケースを添える試み

ところでマスクを使わない場面って?

これを一度考えてみます。

例えば、外出先での食事時。

この時ばかりは一時的にマスクを外します。

しかし、すぐにその後マスクを再び付けます。

このような場面を想定した場合、何か脇にちょんと一時的に置く「トレイのようなもの」があるといいのかもしれない、そんなことを思いました。

そして、さらに、コロナがほとんど終息してくる未来、「マスクをバッグの中に携帯している状態」もあることが想像できます。

こういった場合にケースがあると便利です。

必要な時にすぐ取り出せ、気持ちよくきちんとう2つに折りたたんで収納できるものです。

ケースにの開け閉めの煩わしさは敵である

ということでケースを作ることにしたわけですが、ケースもよく考えねばなりません。

お洒落なマスクに似合うように蓋付きの良い物を考えがちですが、少し待った!。

開け閉めの煩わしさには気を付けねばなりません。

ここ最近、小さなコスメケースを作った時のこと、その開閉にスナップボタンを付けたのです。

その結果、見かけは良いのですがスナップボタンが硬すぎで生地の薄さが負けるのです。

スナップボタンをポチンと開閉するたびに生地に衝撃を与えるようで、これは生地が傷みやすいのでは??と思ったことがあります。

そして、結構両手で力を入れる場面が煩わしくストレスであることがあったのです。

その教訓から、衝撃をわざわざ加えるようでは長持ちできません。

ということで、邪魔しない程度のちょんと小さなマジックテープの方が何倍か優しく、生地には負担がないのではないかとマジックテープを取り付ける結果に至りました。

何も取り付けないということも最初考えていましたが、やはり二重仕立ての裏地付きです。

裏地も表地で行いますが、芯地を貼らずとも二重仕立てというのは、急に作りが立派になります。

ボリューミーになって入り口が、マチもないのに、グアンと開くんですね。

入口そのままだとこのように口が開いてしまうのです。
よってこのように、差し障りのない、ミニサイズのマジックテープを入口の上部真ん中に設置。
あっさりとした様相でマジックテープを入口に縫い付けました。
ボンドだけなどの甘いものではなく、ミシンで二度縫いです。
出し入れのマスクの邪魔をしないようなマジックテープの控えめなサイズが大切です。

完成したケース入りマスクが出来上がった感想

マスクケースのサイズ:縦13cmx横17cm。
マスクを2つ折りして収納が使いやすいです。
それでも両サイドに余裕があるので、割とゆったり目のケースとなります。

元の生地の素晴らしさがまず賞賛♪。

コードレーンと呼ばれる先染めのこうしたストライプはとてもシック。

ポリエステル/100%ですが、清涼感を工夫されて製造された特別な生地です。

上品さが感じられ、薄い色も夏らしくて良いですね。

口に当たる部分はいつもの麻テレコニットという麻/100%の日本製の生地です。

マルチカラーみたいに横に筋が入っていますね。

実際、お顔や口に当たる際にすごくさっぱりとした当たり具合なのです。

そこへ表地の清涼素材を持ってきた良いコンビとなりました。

セールストークにはないデメリットの部分もきちんと研究する必要性

今回の生地案は、仕事仲間のVERACE様(オーダーメイドスーツ事業者)の案でした。

夏らしい素材のチョイスでこの速乾性のある優れた素材になりました。

色の展開はあったけれど、1色をこのサンドベージュでチョイス。

なんともお洒落な素敵な生地です。

<サッカーストレッチ広巾(COOLMAXクールマックス)>ポリエステル/100%、日本製。
近くで見ると非常に美しいストライプ。
サッカーはもともと凹凸のあるぽこぽこした素材な。
皮膚に触れる部分が約半分になって、心地よい感触であるという従来のメリットがあります。
よってこのサッカー織とのコンビのこの速乾性の生地というのが最強のコンビということですね。

こういった速乾性の生地について違った一面を述べてみます。

セールストークだけが独り歩きして、良い部分のみが目立ちますが、すべてを含めて本当のことを知りたいものです。

まず、速乾性であることのベースに、ポリエステル/100%が鉄則のようです。

綿や麻では速乾性という言葉があり得ません。

かつて夏の代名詞であると言われてきた伝統的な綿や麻に対抗する新しい働きが速乾性ということなのでしょう。

汗というものは、吸収してくれて初めて皮膚の表面から脱出するわけで、麻や綿は汗を吸い取って受け皿的に受け止めてくれると考えます。

これ自体は嬉しい役割なのですが、その後の受け止めた汗などの水分の渇きが綿や麻は遅いため、汗を吸った後はいつまでもベタベタしがちということなのです。

一方このベタベタをうまく解消しているのが、ポリエステル/100%の速乾性という働きなので、その字のごとく早くさっぱりさせてくれるのですね。

ただここで、見落としてはならない部分があり、速乾性はあるが、「吸収にはすぐれていない」という点。

ここが見落とされがちです。

早くは乾くのだけど、汗を受け止めてくれる役割はないから汗の吸収には拒否されている点です。

ということで「一時的に汗の行き場が失われている」ことになるのではないでしょうか。

考えてみるとなんと負担なことをしているのか、と思いますよね。

この点をセールストークではわざわざ謳いません。

よって良い所だけをピンポイントでアピールしていいこと尽くしであるように見えてしまいがちなのです。

ただ、ここがメーカーさん達の素晴らしい所。

そのポリエステル/100%の吸収には優れていない点を、メーカーさんは糸の構造を新しく改良し、ポリエステル糸にもかかわらす、「そこそこ吸収機能を持ったポリエステルに改良する」ということを近年されているようなんです。

なので、この改良が進んだ将来、綿とか麻のような天然繊維とポリエステルのような化学繊維の吸収の良し悪しの違いをそれほど意識せずとも、よく吸収してくれる素材というのが多くなるかもしれません。

やはり吸収という点はとても人間にとって重要であるから、そこへ焦点を合わせていくのですね。

吸収に優れているという点は、人間の健康のために、必ず追求せねばならない事項だと言えます。

マスクにもポリエステル/100%を利用してみたのが今回初めてですが、そのあたりのことも一応研究して採用することに至りました。

まだまだ化学繊維が直接皮膚に触れるということに抵抗があったりしますが、スポーツウェアなどは結構近年は当たり前になっています。

お作りするハンドメイドマスクの場合直接顔に触れる裏地部分は、これまでの麻テレコニット、麻/100%を上述のご紹介のように使用し続けています。

麻/100%なので、上述のように吸収性がちゃんとございます。

さらに、テレコというこれも凹凸のある素材なので、空間ができて、肌にあっさりと接触します。

生地一辺倒で頼るととんだ落とし穴がありますので、ちゃんと表地と裏地のコンビも考えて、それぞれの生地のメリットを活かす合体にしたのがこのたびなのです。

顔に当てる方もストライプでお作りすることはお勧めできませんね。

あとがき

今回のこの「COOLMAX」という「LYCRA社製」の素材は、夏専用という使い方でなくとも、寒い冬の季節には、保温性もあるようなのです。

そのことから、冬にも使っていけるケース付きマスクになれるかなと思っています。

そう考えると一層価値が高まります。

生地にメリットとデメリットが存在する場合、メリットを強く活かせるためには、私達のような製造する者がその生地選びをうまく行い、コンビ使いによって工夫するという重要な任務や役割があるようです。

これからも大切に使っていきたい、エレガントなツヤ感の貴重なテトロンミシン糸30番の崩れにくい収納の仕方【132】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

整理整頓が好きな私です。

お部屋の整理整頓はもはや趣味や特技の1つ。

インテリアも考慮した、整理整頓の仕上がりにきらりとオーラが光るような出来上がりを目指します。

整理整頓は、個人物でも事業物でも差別なく、同等にきちんとしていきたいスタンスでいます。

今回は、ハンドメイドバッグの材料であるミシン糸の整理整頓例です。

ミシン糸はハンドメイドバッグには共通に使う材料であり、当たり前の物品であるからこそ、大切にしたいものです。

整理整頓が行き届かないことで、持ち合わせていることを忘れ、重複した糸の色を複数調達してしまったなどということは避けたいものです。

色のグループに分けることで気持ちよくスムーズに使っていけるような環境づくり、そんなポイントをこの度ご紹介したいと思います。

これまでの糸収納に関する悩み、テトロン糸がすぐにコーンからほどけやすい件の解決策

実は、これまで糸を収納する中で悩みがありました。

私はほとんどがテトロン糸を使用します。スパン糸は割合では2割程度。

高級感あるツヤと細くても丈夫なその性質が、エレガントなものを丈夫に作りたい私の意向にとても合っているのです。

よってほとんどがテトロン糸なわけですが、テトロン糸が寄り集まって互いに重なったりすると問題が起きるのです。

テトロン糸はツルツルなので、すぐに糸のコーンの巻きから外れやすいです。

スパン糸はパサっと毛羽立っているので、何もしなくても糸のコーンに引っ付いていてくれるのです。

この大きな違いにより、テトロン糸の収納に問題を生じさせます。

収納して、糸を探しているうちに糸がぐちゃぐちゃとほつれてくるのです(;'∀')。

これは困ったもので、変な位置である上の方からほつれると、まとめてたくさん巻き直しせねばならないことがありました。

その対策として、これまで糸ネットをすべての糸にかけていたのですが、それも実際はあまり効果がなかったという結論に達した現在です。

ということで、今回、糸カバーなるネットも取りやめて、もっと密閉されたほつけにくい対策をしようと試みました。

チャック袋のA6にひらめき、きちんと口も閉じればほつれることが回避できる

ネットも頭と底が空いているのでただかぶせるだけでした。

そうすると隣の糸との接触などをきっかけにネットが外れたりして、前と同じように糸がほぐれる事態がたくさん起きていました。

これじゃあ何も変わっていない、と変化が薄かった前回の対策を見直しました。

そこで、ほどよく空間を保ちながらピッタリの糸が入るサイズのケースを考察。。

そして、チャック袋を見つけました。

ポリ袋はネットよりも見つけやすく豊富でエコノミーです。

チャック袋のサイズも大切です。

あまりにぴったりすぎても、これも中で糸がほつける原因に。

適度に隙間があり、ゆったりと無駄のない空間に収納できるようなサイズ、縦17cmx横12cmxマチ無しの規格「A6サイズ」を発見したのです。

A4とかB4などのコピー用紙サイズにしかこれまで目を向けてこなかったサイズ規格。

A6などというサイズがあったこと自体新しい学びでした。

チャック袋:A6サイズ・・・100枚入りなので、これ1パックで手持ちの糸50本強に十分対応できます。
その後増やしていってもその分の袋の数も見込めます、わーい(^o^)丿。

箱はパンダン製のインテリアボックスへ収納

さて、実際にテトロン糸を1点1点チャック袋へ詰め込みます。

もう、コーンの切れ込みに糸をひっかけるという収納はせず。

これは、デメリットもあり、外す時に糸が裂けることが多く、あまり好みません。

よって糸の終わり目はそのままでチャック袋へゆったり収納します。

そして、パンダンボックスへ色別に固めて収納します。

色別の良さというのは、糸が探しやすいところ。

100コーン近くの糸の量を持つと多少糸選びに手間取ることがあります。

そんな場面を少しでも解消するには、ある程度の色のグループにまとめて配置しておくこと。

ピンク、紫、青の寒色系を近く同士に、ベージュ、オレンジ、赤などの暖色系を近く同士になどの工夫も良いでしょう。

そして、私の場合、黒、白を別の箱に、グレー系を多く持っているので、グレー系ばかりの箱を1つもうけました。

少しの割合で持ち合わせていますスパン糸の30番は、スパン糸だけでまとめました。

ということで、全部で5ボックス作りました。

今回のチャック袋A6は、あくまでもテトロン糸のみです。

スパン糸には必要がないので、わざわざ個別に1コーンずつスパン糸をチャック袋に入れる必要はありません。

ほつけないのでわざわざ入れても意味がないからです。

糸の収納が終了しました。チャック袋A6サイズのおかげですっきりとしています。
上から時計回りに、テトロン糸、スパン糸、ロック糸用90番(バニティ)です。

糸ブランドと糸を製造されたメーカー様についての研究ルポ

糸は、バッグを縫うにあたってとてもベースの大切なアイテム。

今回、私はこの整理整頓で、これらの糸がいろいろなメーカー様が製造した糸だということに今更ながら驚きました。

1社では決してない、様々な会社様の糸が同じテトロン糸で存在しているのです。

そのことがとても興味深く思えてきました。

例えば、一番この中で多かった「エースクラウン」、私はエースクラウンという会社があるのかなどという変な勘違いをしていましたが、違いました。

エースクラウンは糸のブランド名。

エースクラウンの糸を製造している会社は、「大貫繊維(株)」様だったことが分かりました。

エースクラウンは王道の糸なので、この名前がかなり目立っていて有名です。

しかし、このエースクラウンの糸を製造している会社さんはどこなのかにスポットを当てたかったのです。

なかなかネットをググっても簡単に答えが見つからず、ある会社様のホームページを発見。

それが大貫繊維様でした。社名の下にエースクラウンという文字が並んでいたので、自社ブランドである証拠です。

確認のため、私はお問い合わせからアプローチ。

そして、快くお返事をいただき、その通り「テイジン社(帝人)」様との共同企画の元、70年間エースクラウンの糸を製造している会社は間違いなく大貫繊維(株)様であるとのことです。

しかも、「ポリエステル糸を一番最初に作った会社」でもあり、ものすごい情報をいただきました。

大貫繊維様、素晴らしいです、ありがとうございます。

そのほか、「グンゼ:グンゼ社」様、「ビニモ:クラレ社」様、「キング:フジックス社」様、「キンバスパン:アズマ社」様、「地球兎(ちきゅううさぎ):ムラガキ社」様が製造だということが、今回の私の持っている糸の内訳内容になります。

糸には、ブランド名だけしか記されておらず、それぞれの製造会社はググって調べました。

やはり最初のエースクラウンが製造会社まで行きつくのが一番難しかったです。

テイジンの名前が入っているとテイジン社様が製造したかと思ってしまいがち。

しかし、コーン部分のシールにある記載の仕方で、いや、この糸を製造した会社が別にあるはずと思って研究していってたどりつきました。

お返事までいただいたことが大変意義ある糸の整理整頓だったのでした(^-^)。

あとがき

こんな風に、今回のように、ちょっとした疑問をよくメーカー様などに質問しています。

だいたい活躍されているこういったメーカー様のお返事は大変丁寧で、迅速なのが特徴。

今回大変助かりましたし、こんな風に製造メーカー様から生のお声と返答をお聞きできることが素晴らしい経験です。

大貫繊維(株)様、本当にありがとうございました<m(__)m>。今後ともよろしくお願いします。

糸をスパン糸とテトロン糸とで使い分けていく中で、メリットデメリットはそれぞれあるものの、私はテトロン糸(つるつるした方)が使いやすく好みます。

スパン糸はぱさっとしていて、カジュアル向きだと考えます。

純粋なスパン糸というのはぷっつんと糸が切れやすく、現在は「テトロンスパン」という名前でテトロン寄りに寄ったタイプがほとんどのようです。

それでも純粋なテトロン糸と比べるとやはりスパン糸らしい特徴になるので、テトロンスパンもスパン糸という括りで良いと私は思っています。

時々はカジュアルテイストな素材も取り扱うのでスパン糸が必要な時があります。

同じ30番という糸番手でも見かけの太さがテトロン糸とスパン糸でかなり違います。

テトロン糸は細い割にかなり丈夫でひっぱっても切れないです。これは、長繊維。

スパン糸は太いのだけれど引っ張ると切れやすい。短繊維なのです。

しかし、スパン糸は、玉止めをすればその止め機能は確実です。テトロン糸は玉止めはよほどぎゅぎゅっと力を加えないとほつけます。

こんな違いもある2種の糸。

それぞれのメリットをうまく利用して、大切に使っていきたいです。

バッグ作りで培う、表地がドレスなのかカジュアルなのかにテイストを合わせる粋(いき)な裏地選び【131】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、布製ハンドメイドバッグを作るにあたって、材料手配の場面のお話です。

出来上がりに大きく影響すると思われる、裏地のチョイスについてです。

以前、生地屋さんで列を作って並んでいた時の事。

たまにあることのですが、私が持っている生地が反(たん)の最終であり、これっきりという生地でした。

生地在庫の最終を購入ということで、商品のラスト1点と同じような感じです。

その時に、後ろに並んでいらっしゃった女性に声をかけられました。

「それは何に使うの?」と。「バッグの裏地」と答えたところ、「裏地にはもったいない、裏地なんてもっと安物の生地でよい」とのこと。

おそらく、その生地がほしかったのに最後なくなってしまったので名残惜しかったという心理もあったかもしれません。

あとあと、その女性の言葉は大変いろいろな意味で考え深いものがありました。

裏地に対して、裏側に潜むアイテムだから、どうせ目立たないのだから良質な華やかな生地を選んでも意味がないという価値観のように感じられました。

私の場合価値観が真逆でした。

裏地こそ隠れている部分にひっそりおしゃれをすることで、高付加価値を出したいという気持ちを持っています。

そんなエピソードが、ますます表地以外のパーツにも注視するようになったきっかけになったのです。

けれど、その女性の意見もその後取り入れた部分もあります。その生地は結果、表地に使ったのでした(^_^;)。

表地と裏地が同じで、後々ショルダーバッグにもできるカンの付いたポーチを作り、見事ヤフオクでご購入いただきました。

何かしら、人の意見というものはたとえ価値観の違う人でも良い部分があります。

他の人も良いと思った生地は、また、さらなる他の人も良いと思う可能性の高さを感じました。

大変興味深いエピソードでした。

カジュアルとエレガントの違いの感じ方

さて、今回の裏地のチョイスにあたって、まず、表地を見比べてみます。

カジュアル感ある生地とエレガントな生地です。

しっかり理解していただくために、あえて、いかにも誰が見てもくだけているカジュアル感のある生地では意味がないので、少し難しいレベルでチョイスしてみました。

同じステージで見比べるため左右ともツイード生地です。
左:リントンツイード、混率不明、イギリス製。
右:ファンシーツイード、ポリエステル/100%、ドイツ製。

左の色は濃グレー。ツイードではトップクラスのメーカー、「リントン」社様のファンシーツイードなので、リントンツイードという呼び方をしています。

右も同じファンシーツイードですが、こちらはドイツ製。

申し訳ないことに、左のリントンの方の混率が分かっていません。

混率が不明なのは少し残念なのですが、リントンの生地をいろいろ見させていただいて、主に、綿や毛の天然素材が多いのではないかということを予想しました。

その他は、レーヨンやナイロンなどが少しずつミックスされています。

ということで、私の独自判断ですが、この濃グレーは毛がおそらく50%以上入った秋冬的な混率のリントンツイードだとみています。

右側の白地は、ドイツ製で、こちらはリントンのように有名ではないですが、メーカー様のタグが生地屋さんの反には付いていました。

ひかえてこなかったので、メーカー名は分からないですが、こちらもリントンツイードと良い勝負をしています。

私が思うに、かなりレベルは高いツイードだと思います、高価でしたし。。

そして、カラフルにいろいろな色の糸を織り交ぜています。

さて、この2点を比べて、どちらがカジュアル、どちらがエレガントか、というのは言うまでもなく分かりますね。

左のリントンはカジュアルテイスト。右のドイツ製はエレガントテイスト。

まずは、これを感じ取るというところが裏地チョイスへの第一歩と考えます。

特にカジュアル、エレガントの違いで見なければならないとは思いませんが、結局洋服にしても、素材にしても一番比較しやすいのが、カジュアルなのか、エレガントなのかということだと思っています。

もう少し、リントンがカジュアルであると感じるその理由、右の白地がエレガントであると感じるその理由を言葉で表してみましょうか。

リントンのグレーは、何かざっくりした感じがあります。糸の混率が上述のように、毛とか綿が大部分で、天然素材を多く使うというところが、カジュアル感ある素材の糸なのだと思います。

天然素材で作られたお洋服の綿/100%Tシャツなどがカジュアルであることが分かりやすい例です。

チェックのネルシャツなども同様です。

そうすると、洋服でいう天然素材が大部分でできている物体はカジュアルに出来上がるものです。

ツヤのあるようなレーヨン、ナイロン、ポリエステルは使われているとしても少量でしょう。

そんな感じでこのリントンもカジュアルな素材なんだなあというとらえ方を私はしました。

毛の割合が多いと思われるリントンツイード。
ぱさっとしていてざっくりと織り込まれたようなカジュアルな雰囲気になっています。
このカジュアルな雰囲気のもとは、素材である糸の混率にあると私は考えます。

一方、白地のファンシーツイードを見てみます。

ドイツ製のファンシーツイード生地は、ポリエステル/100%という混率。
白地の白部分もつるりとしていて、宝石みたいなカラーの部分にもツヤがあります。
この糸の集まりが全体の生地の雰囲気ををエレガントに見せているのだと思います。

ということで、同じファンシーツイードなのに、左右でここまで対極的な違いの素材なんだということです。

ただ、ここで加えておきたいのが、この2点を比べるとリントンツイードはカジュアルでしたが、比べる相手が違うとまた違ってきますので、この2点を比べたというのが、私の取り扱い生地の中でのお話ということです。

それは、どういうことかというと、別のエレガントな生地と今回のこの白地の方のファンシーツイードを比べたときに、こちらがカジュアルに映ることも比べる相手によってはあるということ。

そもそもツイード自体が大きくは、カジュアルテイストなんだと思います。

あのエレガントなシャネルブランドの洋服にも初代デザイナーの「ココ・シャネル」様の時代からリントンツイードを取り入れていたとのことです。

シャネルブランドだからエレガントに見えているというまたこの魔法のようなしかけがあるのかもしれません。

カジュアルという言葉以外の表現として、メンズっぽいということ当てはまるかもしれません。

シャネルは、男性の洋服のアイテムや軍服アイテムから女性用に初めて取り入れた素材が多くあるようです。

ツイードというものも、もともと男性のジャケットという男物の代名詞的な存在であったアイテムを女性用に取り込んだという点が斬新であるという点で評価されてきたと言われています。

ツイードそのものがもともと男性特有の洋服の素材だったのですね。

ですから、今回ご紹介の2点の表地は、作るバッグの形がおのずと相性の良いデザイン、向くデザインというのも絞り込めるような分かりやすい違いであるとも言えます。

リントンツイードは四角っぽいバッグ、ドイツ製の方はカーブのあるデザインもきっと似合うでしょう。

裏地選びの秘訣

さて、いよいよ裏地をチョイスしていきます。

先程上述で感じたテイストの違いを大切にしながら、マッチした裏地を選んでいきます。

このマッチという部分も価値観の違いがあるので、あえて、違うテイストの。。と思う場合は当てはまらないですが、私の方針では、マッチする同じテイストでそろえてすっきりとシンプルに見せたいという思いがあるので前者で行きます。

まずは、リントンツイードの濃グレーの方から。

リントンツイード用の裏地:エステルポプリン、ポリエステル/100%、、日本製。

リントンツイードのツヤのなさにマッチするべく、ツヤのない裏地をあえて選びます。

裏地というものは、どれもツヤがあるものが多いです。そのような固定概念を超えて、表地用の中からもどんどん探していくのです。

そして、見つかったのが、この「ポプリン」という織り目の生地。

全くツヤが無いとは言いませんが、他になかなか見つからず、しかも色の展開が豊富にある素材がこのポプリンでした。

表地が濃グレーで暗めなので、中側を開けた感じにするべくパステルカラーを選択。

ブルーとピンクのコンビでツートンカラーに遊び心を混ぜた裏地にするイメージで2カラーのチョイスです。

なぜ、ピンクとブルーなの?という疑問を持たれたでしょう。

それは、表地の濃グレーをよく見ると、間にわずかに、このパステル系のブルーやピンクの糸が見られます。

それをおおげさにとらえて、拡大したかのように分かりやすく裏地の色に選んでみたわけです。

では、次に、右側のドイツ製のファンシーツイードの裏地行ってみます。

ドイツ製のファンシーツイード用の裏地(パープル)
:ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。

リントン生地とは反対で、ツヤが大いにある素材ですので、裏地もツヤのあるエレガントな感じの裏地にします。

そして、やや厚手のツイードにナイロン/40%も入った作りあがったときに厚みがある素材をチョイス。

この裏地は過去に何度も扱ってきました。

色は10種ほどの展開があり、たいてい、どんな色味の生地にも10種から当てはめることができます。

この生地、とても優れているのが、厚手であること。ナイロンというのはごわっとして厚みを出す出来栄えになるようで、重ねて縫ったりするとボンと膨らみが増します。

なのでか細いものより、厚みの増すこのラメツインクルサテンはツイードに使ったらよく合うと考えています。

もともとは、衣装、ドレスなどに仕立て上げてふんわり厚みも出した立体感あるスカートなどを作る目的の生地のようです。

あとがき

ということで、今回、裏地選びの秘訣を、同じファンシーツイードでお伝えしました。

あくまで私の価値観でのお話ですので、共感してくだされば似た考え方なのでしょうし、違うとらえ方ももちろんあると思います。

ただ、私の目指すべきゴールが「粋:いき」にあります。

垢抜けたすっきり感などを重視することになりますので、表地に合う裏地ということで「なじむ」とか「歩調が合う」ということを重視します。

違和感あることが面白い、という考え方もあるでしょうね。でもそれは何かすっきりしなくてモヤモヤしてしまうので分かりやすい感じ方ができる組み合わせ方であるということです。

「チェックばかりの3点」「モノトーンばかりの3点」とある1共通点に特化したお洋服の集め方こそがワードローブがおしゃれ宝庫となる秘訣【396】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

時々ネットでクローゼットがご紹介されているのを拝見します。

お洋服がクローゼットにたくさんあり、専用の靴棚をオーダーメイドし、100足相当もの靴やバッグがディスプレイのように並べてあります。

これらは、「セレブ」様のワードローブによく見る風景です。

「見せる」という意味では効果のある風景なのですが、時々疑問もあります。

「その隣同士の靴、どこに違いがあるの?」など。

このたびは、それぞれのファッションアイテムがコスパ良くちゃんと均等に出番があり、それでいて豊富なワードローブのようなリッチさが感じられるお洋服の集め方をたった3着のみのシャツを例に図解説させていただきたいと思います。

一見少なそうな3着のみでも決して「乏しい雰囲気」にはならない秘訣があるのです。

是非引き続き読み進めていただければ光栄でございます。

豊富な組み合わせのイメージは、てんでバラバラなテイスト3点ではなく、特化した共通点が3点すべてに含まれることから作られる

では、シャツを例にミニマムなたった3着をどんな色でどんな柄なのかというポイントを交えながらお話してまいります。

クセのない定番デザインをまずは選択。このような「シャツ」アイテムを3点展開していきます。

まずは、「柄の統一:すべてチェックである」というコンセプトで集めてみます。

キーワードは「チェック」です。

チェックといっても、ギンガムチェック、タータンチェック、グレンチェックと種類が分かれますので、この3つをそれぞれポイントにして色はどんな色でも自由に選びます。

チェック柄が共通の3点のラインナップ。チェックの色や種類はバラバラ。

どれも同じチェックの仲間なのに、違いが感じられる選択です。

色はてんでバラバラでも、ベースに「チェック」が据え置かれていますので、チェックにこだわったラインナップなのです。

チェックだらけで同じように見えてしまうことを、そのチェックの種類の違いで解消しているのです。

もう1つ違うラインナップを考えてみます。

今度は、先ほどこだわったチェックの柄というポイントを外し、「モノトーン」を基盤に据え置くことにします。

そうすると、こだわりのある無彩色コーデになります。

それでも柄がそれぞれ全く違うので、たった3点でも面白く新鮮にラインナップが展開されるのです。

「モノトーン柄」柄をべースにした拘りの3点。今度は色を統一しているので、柄はてんでばらばら。

1つ基準が設定してあるのでこれで良いのです。

前者と後者では随分展開の仕方が違います。

ここにラインナップすることの面白さが生まれています。

この他のベースは「素材」を共通にそろえる案もよろしいかと。

例えば、デニムばかりを違うトーンの色で展開したりなどです。

また、色を3点共黒にして、シャツそのもののデザインに変化を付け、それぞれが違うシャツであることで、全く色が同じということがかえって「攻めた」集め方になっていきます。

とにかく、各々の好みに応じて「色・柄・素材」を統一したシャツに決めるとその後のボトム選びがしやすくなることに気づきます。

ボトム選びへの効果:シャツのラインナップを見ながらなので決めやすくなります。

一気に3点集めることをせずとも、途中の差し替えながらの改良した集め方でも良きゴールにたどり着けばOKです。

あとがき

お洋服をたくさん持つという「量」ではなく、素敵な装いがたくさんできるところがゴールだと思うのです。

あえてミニマムな3点でこのたびご紹介しましたが、3点でも十分に現実的だと思います。

ここへボトムを配置すれば、幾通りかの装いの種類になり、それぞれが統一感ありながらこだわりもある豊富な装いが完成するのです。

トップスx3着とボトムx3着で、最大9通りのコーデが出来上がるのですから、3着というのはミニマムに見えても非常にポテンシャルを秘めた数字なのです。

統一感あることをポイントに置くことで、それぞれの組み合わせの優劣が少なくなり、「どれもこれもおしゃれだ」と見る人を魅了する可能性があります。

まずは、この度ご紹介の「柄・色・素材」をのどれかを共通に3点集めるところから始めてみて下さいませ。

見方を横に見ていただき、同じアイテムを3点というそろえ方の方がかえってうまくいくと思います。

パンツx3点とかセーターx3点というように。。

書き手:ピクチャレスク

ハンドメイドバッグの撮影の背景を白から黒へ、白はクリアな明るいイメージ、黒はミステリアスな高級感あるイメージ【130】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグをデザイン、製作、販売する過程で、私が苦手な部分があります。

それは、撮影。

割と最終段階の作業と言えますが、事業スタート時点からかなり苦戦してきています。

現在それなりに自分らしい背景にはできているもののやはり、ネットでの販売というのは写真の写し方、良い映りなどが物を言います。

これにつまづくと、商品に注目してはもらえない、などという厳しい分野であると考えます。

それでも苦手は苦手。今までなかなか大きくは進歩できずにいました。

背景は白が一番という固定観念はあながち間違いではないが。。

私が白に背景を持ってきていた理由は、もともと背景は白が一番見やすいとの情報からです。

よく分からない分野で苦手な分野ではあるのでそういった情報を信じてそれなりに納得してきました。

なので長いこと背景を白で撮影してきたんですね。

白レンガの背景:これはこれでとても素敵です。日本製の良い作りの壁紙が威力を発揮。
紙製なのですが丈夫くて破れにくい。楽天市場の「壁紙屋本舗」さんで購入。縦の長さが1mです。

で、最近、仕事仲間からの指摘で黒背景だとぐっとよくなるかも。。との声により、黒背景を試みたわけです。

私も黒というベースというのはもともと好みです。

洋服も黒ベースばかりですし、靴とかバッグもほとんど黒無地もしくは黒ベースに柄が入っていたりします。

背景は白が鉄則というような固定観念は、やはりネット情報がスタートです。

どなたかが書いたブログか何かだったと思われます。

専門的な意見であろうからと信じてきましたが、やはり自分の目というのも持たねばなりません。

私の作るバッグなどは、もしかしたら、黒背景向きなんてものだと言えるのかもしれません。

黒の背景:黒といってもチャコールグレーぐらいの映りのトーンです。
真っ黒のバッグにもなじみ過ぎずいい具合に映るかもということで今回は真っ黒より少しトーンダウン。
よく見ると無地ライクではあるけれど節みたいな柄入りでお洒落。
これもお店は白レンガの時と同じ「壁紙屋本舗」さん。黒レンガというものはありませんでした。
オーダーメイドもできるそうなので、もしかしたら黒レンガも作っていただけるかもしれませんね。

背景を白の場合と黒の場合とで同じ商品を撮影して比べた検証をした結果

さて、そういうことで、早速黒の壁紙が届いたので写真撮影をし直します。

カメラは生地の素材などに一番向いていると言われている一眼レフで(キャノンEOS)撮影。

素材の雰囲気を最も出すとのモードのチューリップのマークのものに合わせておいて行います。

白い背景と黒い背景との映り方の違い:特に白い背景も明るく開けた感じがして悪いことはないです。
黒い背景の方が何かドームのような空間に覆われたような雰囲気があって神秘的だということを知りました。

ここで思いました。

これは、自分の商品のテイストどのように表現したいかで好みが変わるかと。

私の商品の場合エキゾチックな花柄が多数です。

子供っぽい感じのプリントのかわいい柄であればもしかして、白い背景がマッチするかもしれませんが、おそらく私の商品の場合は黒も効果的なのでしょう。

ということで、徐々に、黒背景に写真を改めて撮影し直している最中です。

撮影していく途中で、明らかに黒背景に変えて劇的に変わったバッグが、ネズミのボディーバッグ。

不思議ですねえ。

何か商品のラインまで変わったように感じるのです。

写し方もあるのかもしれませんが、劇的なのです↓。

フリース素材のグレー色で作ったねずみボディーバッグ。
なぜ今まで黒背景で写さなかったんだろうと思うぐらい劇的ではないでしょうか。
不思議なのがラインがまっすぐに感じるようになったこと。とても不思議です。

今回大きな学びが1つあります。

それは、黒っぽいものを黒い背景で写すということへの、なじみすぎて上手くいかないのではという固定観念のまずさ。

このねずみがそうでないことを証明しました。明らかに黒背景でこそ素敵に映っています。

自分がやってみてもいないのに思い込みとか何かの情報で判断して結論付けてしまっているのはよくないことでした。

あとがき

お客様が商品をネットで買う時の勝負どころである写真撮影。

とても大切です。それなのに苦手というこの不利な状況。

より人の話に耳を傾け、気づかなかったところをすぐにやってみたことで新たに発見が複数ありました。

苦手な物ってあまりいろいろ触りたくないものです。

なのでなかなか改善もしにくいという悪いスパイラルが起こりがちです。

それには、必ずしも今現在の状態に納得してしまわないことが大切かもしれませんね。

ついでに言えば、この記事を書いているホームページのWEBデザイン系もとても苦手なんです。

変にしゃれたプラグインで後々アップデート時に不具合で真っ白になってしまうと訳が分からなくなってしまうからと、とても単純な使い方しかしておりません(^_^;)。

そのカバーというかフォローも兼ねて内容を充実したものにしたいと思っています。

撮影もいろいろな背景をテクニカルに行うことは無理なので、シンプルであってもポイントである商品がそれで一番活きるのかどうかの部分は見逃してはならないですね(^_^;)。